テキストや英語教材の英語は聞き取れるけど、海外ドラマや実際の会話のリスニングが難しい時。
こんな時は、もともと発話されてない音を聞こうと頑張ってしまっているケースがほとんどです。
英語は、発音しづらい音は片っ端からすっ飛ばして発音します。
決まっているパターンもあるので、ここでざっくり覚えてしまいましょう。
消える音が分かると、英語がものすごくクリアに聞こえ始めます!
- Table of contents -
1. 人称代名詞のhの脱落 H-dropping
人称代名詞のhの発音は特によく省略されます。
- Let her go. → Let ‘er go. レラゴゥ
- Talk to him. → Talk to ‘im. トークトゥィム
- Can he do that? → Can ‘e do that? ケァニドゥザ?
最近は書くときにアポストロフィーが省略されることも多いです。
- Let er go.
- Talk to im.
- Can e do that?
h が落ちるのは、前後の単語がリンキングする時に起こる現象なので、文頭、カンマの後の h は省略されません。
- He’s nice.
- Yes, he is.
h は無声音で発音しにくい音なので、h が落ちた発音が定着している単語もあります。
- herb /ɜrb/ [urb] ゥぁーブ
- honor /ˈɒn ər/ [on-er] アナぁ
- honest /ˈɒn ɪst/ [on-ist] アネスト
it も昔は hit だったとか。これはスペルも落ちたパターン。
2. 人称代名詞のthの脱落
th も発音しにくい音なので、人称代名詞の them や with の th はよく省略されます。これもリンキングの過程で起こります。
- Talk to them. → Talk to ‘em. トークトゥェム
3. 同じ音や似ている音の同化
同じ音や似ている音が重なった場合、後の音に同化されます。
- Some more? → Some more? / サモぁ?
もっといる?
s’more はキャンプファイアーの時のチョコマシュマロサンドグラハムビスケットの名前にもなっています。美味しすぎて『もっと、もっと!』になるから。
- How did it go? → How‘d it go? / ハゥディ∗ゴゥ ?
どうだった? - I’ll take care of it. → I’ll take care of it. / アォティケぁらヴィ∗
やっておくよ。 - Cab booking is available. → Cab booking is available. /キェアブキニザベィラボゥ
タクシー予約ができます。
これもリンキングの一種。
4. ストップサウンド t p k b d g
無声音 t p k と有声音の b d g 。これらは破裂音と呼ばれます。
単語の最後に破裂音がきて、続く単語が母音始まりの場合にはリンキングが起こります。
Stop it!
後に子音が続く場合、破裂音を子音だけで発音することは難しいので、音は微かになったり消えたりします。
ただ、唇や舌のポジションは発音する場合と同じ位置に置くので、消える場合も一瞬の間があります。
- I love fruit. アラフルゥ ∗
- It rocks. イ∗らクス
- Stop. スタ∗
- Good morning. グ∗モーニン(ヌ)
- I’m stuck.アムスタ∗
- Help me! ヘゥ∗ミー !
色が微妙に濃いブルーのところは微かな音が残る感じ。
ちなみに、破裂音が落ちた発音で定着している単語もあります。この場合は発音すると間違い。 一瞬とまる感じもありません。
- castle /ˈkæs əl/ [kas-uh l] ケァソー
- listen/ˈlɪs ən/ [lis-uh n] リスン(ヌ)
- comb /koʊm/ [kohm] コゥム
- climb /klaɪm/ [klahym] クラィム
- tomb /tum/ [toom] トゥウム
- womb/wum/ [woom] ウォウム
- thumb /θʌm/ [thuhm] サム
- cupboard /ˈkʌb ərd/ [kuhb-erd] カブぁー(ド)
- height /haɪt/ [hahyt] ハィ(ト)
- night /naɪt/ [nahyt] ナィ(ト)
- knight /naɪt/ [nahyt] ナィ(ト)
- knife /naɪf/ [nahyf] ナィフ
- know /noʊ/ [noh] ノゥ
- knit /nɪt/ [nit] ニ(ト)
cupboard の発音は特に気をつけて!
5. 内容がない部分(機能語)の母音の省略
内容に関係ない部分にある母音は、schwa 音になったり、消えたりします。
- Can you dance? Cn you dance? キァニュデァンス
* canが /kæn/ [kan] → /kən/ [kuh n] に。
schwa音の発音記号は ə です。基本的には[ʌ]のアクセントのない音ですが、弱く発音する音なので、前後の音によってイっぽくもエっぽくもなります。
[ʌ]の音は、日本語の『あ』に近く、力を抜いて口が自然に開いた位置での『あ』。
センテンスの始めはまだ息の量が少ないので、音が弱く消えることがよくあります。
- It’s fantastic! → T’s fantastic! ツフェァンタスティク!
文の内容に影響のない部分は無くてもいいので、こちらも消えることが多いです。
- I’ve gottta go → Gotta go. ガラゴゥ
- Do you want to come? → Wanna come? ワナカム?
- How’ve you been? → How you been? ハヤベン?
- I’ve been great! → I been great. アベングレィ∗
6. 短縮語は短縮表記通りに発音
I’ll, don’t, can’t を発音する時。
わざわざ I will, do not, cannot に戻したりはせず、短縮語は短縮形の表記通りに短縮して発音します。
don’t, can’t の n の後の t は発音しないことがほとんど。
ストレスがない時は、弱くて短い音になります。be 動詞の過去形 were と同じ発音です。
- we’re: we are
- /wər/ [wer] ワ
they’re は their / there と全く同じ発音です。ゼイアじゃないよ。
- they’re: they are
- /ðɛər/ [th air] ゼア
ストレスがない時
- /ðər/ [th er] ザ
リスニング力が上がったか、さっそく試してみてね!
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