medicine と medication の使い分けは、レッスンですごくよく聞かれる質問の一つです。
意味はどっちも『薬』ですが、相違点は処方されたかどうか。
- medicine = 薬局で適当に買える薬
- medication = 処方された薬、投薬
薬局で売ってる薬 = medicine も、処方されて出てきたら medication。
ただ、実際の使いわけはもっと混沌としていて、全く同じ意味で使える時もあれば、使えない時もあります (><)
- Table of contents -
1. medicine は『薬』
medicine はいわゆる一般的な『薬』です。
昔から使われている単語で、シンプルに『薬』というときに使われます。
- 飲む期間、回数が少な目
- 服作用が少なく比較的安全
- 薬局で買えるシロップや頭痛薬
俗に、
- OTC = Over-The-Counter: (薬局の)カウンター越しの薬
- nonprescription: 処方箋なし
などと呼ばれたりもします。
I need to take some medicine.
薬を飲まなきゃ。
Is it OK to chew my medicine?
薬を噛んでもいい?
We have medicine for a headache.
頭痛薬があります。
2. medication は『投薬』
medication は medicine よりもずっと新しい単語で、
主に、病院で『処方された薬』を意味します。
google の Ngram Viewer ↓
特徴は、
- 薬の量、服用期間や回数の指示がある
- 服用期間が長め
- ドクターに処方された場合のみ頓服薬も
元は、動詞の medicate『薬を投与する』で、本来の意味は『投薬療法』。
だから、medication を『薬』で使うときは『投薬』のイメージがあります。
Are you taking any medication?
飲んでいるお薬はありますか?
We have to review his medications.
彼が服用しているお薬を見直す必要があります。
Psychologists cannot prescribe medications.
心理学者がお薬を処方することはできません。
と、ここまでの説明だけで終われれば良かったのですが ↓
3. 『薬』のときも medication の方がオシャレ!
最近は
- medicine = 『薬』
- medication = 『投薬』『薬』
になってきました。
そもそも、medication が 『投薬』の意味で使われるようになったのは、medicine よりカッコいい感じがするから。
じゃあ、『薬』も medication にした方がオシャレじゃない?! みたいな。
Over-the-counter medications available for headaches.
頭痛薬のためのOTC(カウンター越しの薬)があります。
Read the label on the bottle before taking your medication.
薬を飲む前に、ボトルに貼ってあるラベルを読みましょう。
Time for your medication.
お薬の時間です。
Make sure to take your medication before you sleep.
寝る前に薬を飲むようにしてください。
こんな感じで、今は medicine の方がしっくりくるところにも、medication が使われます。
こうなってくると、medicine でも medication でも、もうどうでもいい感じ。
4. 救世主?! meds
meds は、もともとは medication の省略でしたが、medicine = medication のケースが増えたことから、medicine の略語にもなりました。
形容詞の med: 薬の と紛らわしいのと、
medicine にも medication にも、不可算名詞と可算名詞の用法の両方あることが幸いして、いつも複数形で meds。
スラングっぽいですが、『薬』の単語で迷ったら meds にする方法もありです。
Did you take your meds(= medicine / medication)?
薬飲んだ?
All meds are so expensive!
薬はみんなすごく高価!
5. medicine しか使えないものも
ことわざなど古くからあるもの、熟語では、 medicine しか使えない場合もあります。
ことわざ
Laughter is the best medicine.
笑いは最高の薬
Good medicine tastes bitter
良薬は口に苦し。
日本のことわざの翻訳も medicine。
There is no medicine for a fool.
バカにつける薬はない。
熟語
medicine cabinet: メディスンキャビネット(薬棚)
Medicine cabinets are where you find secrets!
メディスンキャビネットは秘密が隠されている場所!
『医学』の意味で使う時
medicine には医学の意味もあります。
history of medicine
医学の歴史
holistic medicine
ホリスティック医療
homeopathic medicine
ホメオパシー医療
6. medication しか使えない時
投薬療法の意味で使う時は medication しか使えません。
I’m on medication for my blood pressure.
血圧の薬を飲んでいます。
* on medication: 投薬治療中
There can be errors in a medication process.
投薬治療の過程でミスは起こりうる。
7. おまけ: drug は会話では麻薬
薬を意味する単語に drug もありますが、こちらは日常的な会話では麻薬。
(drugstore: アメリカの薬局、ドラッグストアは例外)
薬剤の意味で使われるのは、主に医療業界。
だから、使用法に迷うことは少なそう。
一般的な薬の意味で使われる際は、形容詞がついています。
psychotropic drugs: 向精神薬
ちなみに、以下の会話は、麻薬のことです。
What are you on?
なんの薬をやってるの?
What drug are you taking?
なんの薬をやってるの?
medicine と medication の『薬』の意味での違いはこれからますますなくなっていきそうです。
言葉に敏感な人だけが気になっちゃうのかもね(^^)
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